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株式会社レックス·インターナショナル
ホスピタリティのある都市を目指して
ダカールの都市問題
・地方からの急速な人口流入にともない、洪水地域や優良な農地で進行する市街化
・半島の西側における商業・業務機能の集中と、同地域での通勤・通学時の慢性的な交通渋滞
・市民および地方自治体との調整不足により、実状を反映していない既存のマスタープランと低い実現性
・地方分権化による都市計画の地方自治体への権限移譲と地方自治体の能力不足
目的
・2035年を目標年次とするダカール首都圏の都市計画マスタープランの策定
・優先地区(1カ所、最大3,000ha)における詳細計画の策定
・最優先プロジェクト(最大3案件)にかかるPre-F/Sの実施
・本プロジェクトを通じた都市計画関係機関の能力強化
・詳細計画策定のためのガイドライン案の策定
対象国 | セネガル国 | 対象地域 | ダカール州およびティエス州の一部 |
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プロジェクト期間 | 2014年8月〜2016年2月 | 技術サービスの種類 | マスタープラン |
現地協力機関 | 都市再生・住環境省 | 発注者 | 国際協力機構(JICA) |
受注形態 | 元請(共同企業体の幹事会社) | 対象地域の面積と人口 | 面積:820 ㎢(ダカール州およびティエス州の一部) 人口:3,2百万人(2013) |
担当業務 | 総括/ 地域総合開発計画/持続可能性評価、副総括/土地利用計画/GIS、都市計画2/組織制度、詳細都市計画2/業務調整1、社会経済分析/ 開発フレームワーク/ 業務調整2、環境1(ベースライン調査)、環境2(戦略的環境アセスメント) |
・ 将来ビジョンとして「ホスピタリティの都市」を提唱
・ 農業適地、災害危険地(洪水、高潮、海岸浸食)、セクター開発計画(交通、上下水道、および電力)との総合的な調整を図った土地利用計画の設定
・ 新国際空港の周辺地域であるダガホルパ地区における詳細計画の作成
・ 緊急性の高いインフラ整備プロジェクトのPre-FS調査の実施:1)幹線道路の交差点改良、2)バスターミナルのアクセス改善、3)ごみ発電システムの導入
・ 都市計画家向けの詳細計画策定ガイドライン
「持続的な開発」とは、地域や地球の環境への負荷を最小化することで、将来の世代を犠牲にすることなく、現在の世代から将来の世代へと開発が持続していくことである。本調査では、対象地域の持続性を6つの視点から評価した(1. 急速な変化に起因する多様なリスクの管理、2. 包含性、3. 魅力、4. 都市管理の能力とインフラストラクチャー、5. 参加、6. 広域的な視点)。高い評価となった指標は6つであり、22の指標において低い評価となった。今後は、平和な社会や民主的な参加の伝統を始めとする高評価の要因を基礎として、対象地域の持続性を高めていくことが望まれる。
ビジョンの作成におけるバックキャスティング
都市には、多様な価値観を持った市民が生活している。ダカールの将来像では、魅力的かつ様々な人々の希望を取り込むビジョンを設定した。ビジョンの設定では、バックキャスティングを適用し、将来の望ましい都市像を最初に描き、都市像を実現するための方策を検討した。これは、人口増加による都市化に追随した従来型の計画づくりとは異なるアプローチである。
参加型手法
ビジョンおよび開発目標は、市民、地方自治体職員、民間、および都市計画・建築局の職員との協議を経て、具体化された。開発代替案、ビジョン、およびマスタープランの計画内容を協議するため、ステークホルダー会議が合計20回にわたり開催された(5つの地域x 4回)。
ダカールの住民代表者との協議。セネガル政府のカウンターパート職員が、マスタープランの計画方針を地元関係者に説明しています。
ダカール中心部の街並み
ダカールの鉄道中央駅。ダカール市内には、歴史的な建造部が残っており、まちなみのアクセントとなっています。
セネガル政府職員との協議。セネガル政府のカウンターパート職員と調査団により、ダカールの歴史、問題点、開発課題に係る協議が開催されました。
セネガル政府職員との定例会議。セネガル政府のカウンタパートと調査団による定例会議は、プロジェクト期間を通じて毎週開催されました。調査の進捗状況、課題、計画方針などが定例会議で協議されました。
ダカールの海岸線。ダカールは、西アフリカの貿易の拠点として、発展してきました。