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株式会社レックス·インターナショナル
コメの自給と輸出に向けた稲作技術の普及可能性とバリューチェーン改善方策の検討
マダガスカルにおいて、コメは、重要な作物として考えられている。
稲の作付面積は全耕地面積の約4割、コメの総生産量は381万トン/年(FAO、2016年)、消費量は約103kg/人/年(FAO、2013年)であるが、未だコメの自給は達成されていない。
その原因の一つは、単収が低いことである(平均2.7トン/ha)。
コメの生産性を向上させるため、JICAは、稲作技術の普及を行ってきた。
「中央高地コメ生産性向上プロジェクト(PAPRiz)」(2009 年1 月~2015 年7 月)では、モデルサイトにおいて単収3.7 トン/ha を実現した。その後継案件である「コメ生産向上・流域管理プロジェクトフェーズ2(PAPRiz2)」(2015年12 月~2020 年11 月)では、2017-2018 年度の作期に単収5. 1 トン/ha を実現したことから、これまでに、PAPRiz技術の有効性が確認されている。
同国政府は、2020 年までにコメの自給生産を、2030 年にはコメの輸出を重要課題としている。そのため、同国政府にとって、コメの生産拡大とバリューチェーンの改善は急務である。
上記2つの政府目標を達成するため、本調査は、PAPRiz技術の普及拡大の可能性を検討すること、及び、コメの国内流通体制の現状および課題を把握することを目的としている。
対象国 | マダガスカル国 | 対象地域 | マダガスカル国全土 |
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プロジェクト期間 | 2019年2月〜2020年5月 | 技術サービスの種類 | 開発調査 |
現地協力機関 | 農業畜産水産省 | 発注者 | 国際協力機構(JICA) |
受注形態 | 共同 | 対象地域の面積と人口 | 面積:587,295km2、人口:2,626万人(2018年,世銀) |
担当業務 | 稲作生産/技術普及1、技術普及2、稲作生産2 |
各県のコメの生産状況を調査した結果、PAPRiz2対象地域の収量および面積は、相対的に高いことが明らかとなった。新政府が指定した、コメの自給を達成するための開発優先県に鑑みて、PAPRiz2対象地域の増産ポテンシャルは高いことを提言した。
稲作技術普及体制については、政府において、普及活動及びその人材育成はほとんど実施されていないこと、稲作技術の普及に特化した人員・予算配分がなされていないことが明らかとなった。また、地域によっては、NGO職員を含む稲作技術の人材形成が行われていた。普及拡大に向けた方向性として、上記のような人材やプロジェクトで育成された人材を活用して継続的に普及活動を実施することが重要であるとした。また、既存のPAPRiz技術の適用については、地域ごとに作付け時期や施肥量を特定する必要があることから、既存の稲作技術の見直しの必要性について言及した。
種子、肥料、農薬等資材の利用に関しては、地域差があるため、その実態を把握することで、農業資材の利用促進の可能性を検討する。また、各県或いは地域別のコメの生産面積や単収、気象や土壌条件等を含む生産環境および治安状況等の社会環境を把握することにより、地域のコメ増産ポテンシャルを評価する。評価結果から、コメの生産拡大のため、支援を行うべき県の優先順位を概定する。
技術普及体制については、県農業畜産水産局(DRAEP)の組織体制、稲作技術・普及研修の有無を調査する。また、普及活動の実施に必要な資機材の整備状況、予算配分と支出実績を確認することで、DRAEPにおける効果的な普及の可能性を検討する。
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